専用の低温調理器が無くても、

炊飯器の保温モードを使って、

お肉が硬くなる68℃以下で、

お肉の中心温度を63℃で1時間加熱することができました。


今回は炊飯器の保温モードで、

豚肩ブロック500グラムを調理しました。


全体では炊飯器の保温モードで3時間加熱しています。



鶏胸肉を炊飯器の保温モードで調理する方法は、

下記リンクからどうぞ。




◆用意するもの

  • 豚肩ブロック肉・・・・500グラム前後
  • お肉がしっかり浸かる炊飯器・・・・5,5合炊き
  • お肉の下味用調味料・・・玉ねぎニンニク麹などお好みで
  • お酒・みりん・三温糖・醤油・・・チャーシューのタレ用
  • ニンニク・しょうがチューブ・・・チャーシューのタレ用
  • ジップ袋・・・・・水が入らないよう密閉できるもの



◆手順

使用するのは、炊飯器です。

炊飯器の保温モードでお肉を加熱していきます。

お肉の中心温度が63℃で1時間加熱することが目標です。

  1. 肉に下味をつける。
  2. 常温に戻したお肉を全体に焼き固める。
  3. 炊飯器のお釜に60℃のお湯を用意する。
  4. ジップ袋に密閉したお肉を炊飯器に入れる。
  5. 保温モードでお肉を加熱する。
  6. 1時間後に炊飯器のお湯とお肉の中心温度チェック。
  7. 2時間後に炊飯器のお湯とお肉の中心温度チェック。
  8. 炊飯器の蓋を開けて、タオルで蓋をする。
  9. さらに1時間後に加熱完了。(トータル3時間で完了)
  10. 炊飯器から取り出して冷蔵庫で冷やす。
※炊飯器のご利用はメーカーの指示に従ってください。



1.お肉に下味を付ける

今回用意したのは、豚肩ブロック肉です。

100グラムで140円ほどの安価なお肉です。

豚肉230501-1



下味には玉ねぎニンニク塩麹をまぶしてから、

ジップ袋に入れて冷蔵庫で24時間保存しました。

麹が持つ酵素がタンパク質を分解して、

お肉を和らかくしてくれます。

※下味はお好みで。

豚肉230501-3




2.お肉全体を焼き固める

下味を付けたお肉は常温に戻してから、

表面を軽くふき取り、フライパンで全体を焼き固めます。

お肉の中心温度管理がこの調理の要です。

※冷凍したお肉をそのまま使ったりしないでください。


チャーシュー230427-2


軽く全体を焼き、お肉の色が変わる程度で良いと思います。

チャーシュー230427-3


焼き終わったら、ジップ袋に戻しておきましょう。

この時、できるだけ袋内の空気を抜いておきます。




3.炊飯器に60℃のお湯を準備する。

給湯機のお湯で十分なので、

60~70℃ぐらいのお湯を炊飯器に用意します。

鶏胸肉0002




4.ジップ袋にお肉を入れて保温モードで加熱。

ここからトータル3時間、保温で加熱していきます。

お肉を入れたジップ袋は、できるだけ空気を抜いてください。

鶏胸肉002



5.1時間後にお湯とお肉の中心温度をチェック。

1時間後のお湯の温度は、63℃になっていました。

チャーシュー230427-4


この時のお肉の中心温度はまだ50℃でした。

チャーシュー230427-5




6.2時間後のお湯とお肉中心の温度チェック。


2時間後にお湯の温度は68℃になっていました。


チャーシュー230427-6



この時のお肉の中心温度は64℃まで上がっていました。

ほぼ目標の65℃付近になっているので、

ここから念のためあと1時間、保温のまま加熱維持します。

チャーシュー230427-7



7.炊飯器の蓋を開けてタオルをかける。



お湯の温度が70近くになっていたので、

念のためお湯の温度を下げるべく、タオルで蓋をしました。


鶏胸肉006




8.3時間後のお湯とお肉中心の温度チェック。



3時間、保温モードで加熱が終わりました。

お肉の中心温度が63℃付近になっていました。

チャーシュー230427-7 (1)


ここで加熱は終了です。

バットなどに袋ごと取り出して、

冷蔵庫で冷やしたら、チャーシューの出来上がりです。

チャーシュー230427-8


加熱前にお肉全体を焼き固めたので、

3時間の加熱でも外に出た肉汁が少なめで、

しっとりジューシーに仕上がりました。


9.タレを作ってお肉にからめる

加熱が終わってすぐに、お肉をジップ袋から取り出します。

豚肉230502-1



次にジップ袋に溜まった肉汁や下味のスープを鍋に移してから、

お酒・みりん・三温糖(砂糖)・醤油を

それぞれおおさじ2程度、同じ鍋に入れて煮詰めます。

アルコールが完全に飛んで少し煮詰めてから、

お肉にからめて、ジップ袋に入れます。

豚肉230502-3



ジップ袋に戻したお肉は、冷蔵庫で保管して冷やします。


豚肉230502-4




10.カットして盛り付け。



十分冷えたら、お好みの大きさにカットして盛り付けます。

豚肉230503-1


豚肉230503-3




色とりどりの野菜焼きと一緒に盛り付けました。

豚肉230503-3 (1)




◆お肉の仕上がり確認



ここで、仕上がりを確かめるために、

加熱が終わってすぐの温かいうちにカットしてみました。

チャーシュー230427-10


自家製のタレをかけて、ステーキとして食べましたが、

500グラムの安価な豚肉のブロックが、

こんなにおいしく出来上がったことは驚きです。

ステーキでも良し、冷やしてからカットしてチャーシューでもよしです。


ラーメン230427-1




◆タンパク質が硬貨する温度

タンパク質が固まる68℃以下で調理していますので、

お肉の外側までしっとりとやわらかく出来上がりました。

今回は炊飯器の保温モードで、3時間でしたが、

お肉の中心温度や、開始時のお湯の温度、

台所の室温などに左右されますので調整してください。




◆炊飯器の保温モードの設定温度


炊飯器の保温モードでの設定温度には各社微妙な違いはあるようですが、

高温で【ご飯を変色させない】ためと、

低温で【雑菌を繁殖させない】温度設定になっています。


たとえばタイガー社は72℃と公表されていました。

各社おおおむね70℃前後に設定されているようです。




◆安全と言われている中心温度と加熱時間


タンパク質(お肉)が硬くなりだす温度は68℃以上からです。

とは言え、70℃になればすぐにカチンコチンになるわけでもありません。


また、食中毒の原因菌のサルモネラ菌とカンピロバクターの死滅温度は、

厚生省によると、中心温度が75℃で1分間となっています。

しかし68℃以下でも、中心温度と時間によって、死滅できることが研究されています。



このサイトなどを参考にさせていただきました。


※低温調理において、100%安全が保障されているものではありません。

購入してきたお肉から、感染を広げないことが重要です。



今回はお肉の中心温度を63℃で1時間維持することで、

より安全に、しかもお肉が硬くならずにしっとりとした、

豚肉チャーシューを作ってみました。




鶏胸肉を炊飯器の保温モードで調理する方法は、

下記リンクからどうぞ。



◆お肉料理についての参考資料


厚生省 : お肉はよく焼いてたべよう

農林水産省 : お肉はしっかり火を通してから食べましょう



◆炊飯器を使った調理の注意事項

炊飯器のタイプにより、使用上の注意事項や禁止事項が異なります。

炊飯器に同朋されている取扱説明書をよくご覧の上、

記載事項に従って調理を行うようお願いいたします。


このレシピでは特にジップ袋を使用しております。

このジップ袋が炊飯器内部の調圧部や蒸気口を、

調理中に塞いでしまう可能性がありますので、

メーカーの取扱説明書に従ってご利用ください。


以上、ご覧いただきありがとうございました。
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